不具合対策と再発防止対策の違いが分からない。
「なぜなぜ分析」をどのタイミングで使っていいか分からない。
この記事の内容
・「なぜなぜ分析」を使うタイミング
仕事柄、社内の作業ミスや不具合の再発防止報告書の最終確認をしたり、社内の再発防止対策を強化するため社内講師をしています。
その経験を活かしこの記事を書きます、参考になれば幸いです。
みなさんは不具合対策と再発防止対策の違いが分かりますか?
なんとなく違うことは分かるけど「説明して」と言われると説明できない人は意外と多いと思います。
不具合対策と再発防止対策を解説します。
不具合対策
対策とは相手の態度や事件の状況に対応するための方法・手段。「人手不足の対策を立てる」「対策を練る」「税金対策」
不具合が発生したとき原因の究明をすると思います。
その際、不具合の現象から原因までを解析し、その原因を対策している事例をよく見かけます。
一見、原因を特定し対策をしているので問題はないように見えます。
しかし、上記のやりかたでは再発防止はできていません。
なぜなら、その時の不具合は解決しますが、モノの対策しかできていないので再発する可能性が高いのです。
では、分かり易く不具合対策の事例で解説します。
不具合対策事例
上記事例では、センサの位置がずれたことが原因でパイプの長さ異常が発生し、対策はセンサの位置を調整しています。
センサの位置を調整することで、パイプの長さ異常は対策され問題は解決しています。
一見すると対策はできているので問題ないように思えますよね?
しかしどうでしょう、再発防止はできているでしょうか?
残念ながら、モノの対策しかできていませんので再発する可能性が高いです。
ではどこがダメで再発するか見てみましょう。
対策でセンサの位置を調整をしていますが、そもそもなぜセンサの位置はずれたのでしょうか?
センサの位置がずれた原因を究明し対策をしないと、また同じ理由でセンサの位置がずれます。
もちろん、センサの位置がずれるとパイプの長さ異常が発生するので再発したことになります。
このように、同じことを繰り返すモノの対策のことをモグラたたき対策といいます。
再発防止対策
再発防止とは一度起こした失敗について、技術面だけでなく、仕事の進め方や仕事改善を行い、将来にわたり知見を活用し、二度と同様な問題を発生させないこと。
モノの対策が不具合対策なら、仕事の対策はプロセス対策となります。
プロセス対策が真因となり、「何を行っていれば防げたのか」を考えることで再発防止となります。
では、真因を究明する方法を解説します。
真因(根本原因)を究明する方法は、原因を「なぜなぜ分析」することです。
下記図のように、原因から真因のプロセスを「なぜなぜ分析」をすることで、「これを行わなかったから不具合が発生した」までを深掘りしていきます。
先ほどの事例で解説します。
不具合対策事例
上記事例では、センサの位置がずれたことが原因で、対策はセンサの位置調整でした。
再発防止をするためには、原因をなぜなぜ分析をし真因を究明することなので、事例でいくと「センサの位置がずれたのはなぜか」を深掘りします。
深掘りするためには、原因から真因までのなぜを5回繰り返すと言われています。
ですが、無理になぜを5回繰り返す必要はありません。
無理に5回繰り返そうとすると、単なる言葉の言い換えになりやすいです。
真因深掘りの止め時は、その要因に対して有効な再発防止がイメージができていることです。
まとめ
不具合対策は、現象から原因までを解析することでモノの対策となります。
その場では不具合個所は対策されるので、一見問題は無いように見えます。
しかし、真の原因を対策していないので不具合は再発します。
一方、原因に対してなぜなぜ解析をすることで、真の原因(真因)を深掘りすることができます。
仕事のプロセスで、「これを行わなかった」を特定し対策することで、不具合の再発を防止できます。
なぜなぜ分析の使い所を間違えている例としては、現象をなぜなぜ分析し原因を出すパターンです。
なぜなぜ分析は使い所を間違えると真因までたどり着かないので注意が必要です。
以上、再発防止のための「なぜなぜ分析」を解説しました。
「なぜなぜ分析」を使い真因を追求するためには、コツや注意点が多数あるので別記事で解説します。